日向地区建設業協会

Hyuga District Construction Industry Association

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『令和4年台風14号災害復興記録集』発刊!

2026年03月06日:協会本部
 

 令和4年9月、宮崎県全域を暴風域に巻き込んだ台風14号、とりわけ山間部では道路の寸断や河川の氾濫、土砂災害が相次ぎ、地域の暮らしは一時大きく揺らぎました。なかでも被害の大きかった美郷町、諸塚村、椎葉村では現在もなお復旧・復興に向けた努力が続けられています。

 「この未曾有の災害を風化させることなく、将来の備えとして役立てたい」その強い想いから、当協会では「台風14号復興特別委員会」を設置し、このたび『令和4年台風14号災害復興記録集』を刊行いたしました。本書は単なる被災状況の記録に留まらず発災直後の緊迫した現場の様子から、応急対応、復旧に至るまでの過程、そして現場で直面した課題や関係機関との連携の実態までを後世の記録として一冊にまとめました。記録集の目玉は「写真家がファインダーから覗いた宮崎の災害復旧の今~山崎エリナルポタージュ」です。山崎氏は令和6年12月に宮崎県入りし被災現場や住民の方への取材を行いました。

 この取材の中で山崎氏は、特に印象に残った場面として、集落が分断された現場での復旧工事を挙げました。その先に暮らしているのは決して多くはない世帯でしたが、『工事に携わる皆さんの「あの家のご高齢の方が困っている」「あのご家庭が早く日常を取り戻せるように」と住民の姿を思い浮かべながら懸命に作業に当たり、単に”地域のため”という言葉ではなく、そこに暮らす顔の見える一人ひとりの生活を守るための復旧、少人数であっても守るべき暮らしが確かにあるという強い責任感と使命感に満ちた姿が強く心に残った』と語っていました。

 

 本記録集は社会インフラの大切さを次世代へ伝える教材として県内すべての中学校に配布するとともに、令和8年2月25日(水)に美郷町立美郷北義務教育学校および諸塚村立諸塚中学校において、復興特別委員会の坂本浩一委員長と甲斐宣人委員が特別授業を行いました。生徒たちは実際の災害写真や復旧の記録に真剣なまなざしを向け、熱心に耳を傾けていました。「道路があるのは当たり前」ではなく、普段何気なく利用している道路が多くの奮闘によって守られ、復旧されているという事実は生徒たちの心に深く刻まれたようでした。

 また、翌、2月26日(木)には当協会の黒木繁人会長や坂本委員長、写真家の山崎エリナ氏、復興特別委員らが宮崎県庁を訪れ、河野俊嗣知事に記録集の刊行を報告いたしました。その席上で黒木会長は本記録集について「地元の誇りを詰め込んだ」と強調し、災害時に地域を守る体制を、将来に亘って持続可能なものとするための提言として、大きな意義を持つと語りました。記録集を手に取られた河野知事は「復旧作業にあたる建設業の方々の笑顔が印象的でした」と感想を述べられ、この一冊が建設業の重要な役割を広く社会に周知する契機となることに期待を寄せられました。また、山崎氏も「厳しい環境下でも笑顔を絶やさず働く姿に、自身も元気をいただきました」と撮影当時を振り返りました。

 災害発生時、いち早く現場へ駆けつけるのは地域の建設業者です。寸断された道路を切り開き、崩れた法面を復旧し、止まってしまったライフラインを一日でも早く回復させるため、昼夜を問わず復旧作業に尽力しています。

 災害はいつ起こるかわかりません。しかしこうして記録を残し、教訓を伝えることで未来の備えとすることはできます。この一冊が災害の記憶を未来へつなぐ道標となり、地域を支える人々への理解が深まることを願っております。